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普通の日記

・某日
君と普通の話ができたらどんなにいいだろう。ゆっくり腰かけて、どこにも寄りかからず、ためらいさえも泡立つような、そんな時間を過ごせたらどんなにか素敵だろう。
君に話しかけようとする時、喉の奥に決まってなにかがつかえる。それは言葉なのだろうか。言葉は口をついて宙に放たれる寸前、いっそう重さを増すように思える。その重さに引きずられて僕は石ころのように沈んでしまうのだ。
僕は君に謝らなければならない。たった一度、深く頭を下げて謝らなければならない。




・某日
100%無意味に早起き。今泉力哉監督の短編映画集『最低』を見る。いわゆるオフビートな笑いに徹しつつ、日常の生理感覚というか、生活に忍びこむイヤな感じを捉えるのが上手い。音楽や物語の力に頼らず、会話と映像で見せる手法、シュール、ブラックといった外観が成立する寸前で物語を壊す姿勢からは誠意が伺える。そんでもって出てくる女の子が皆かわいく、微妙にタイプが異なりながらも不思議な統一感を持ち、全体としてかわいさそのものとでも言うべき本質がむき出す様はどうだ。
今後とも要注目。




・某日
とある酔っぱらいのモノローグ。
「まあ聞けよ。すべての女は売春婦だ。女はセックスを趣味にすることができない。タダで自分を切り売りしたくても、やつらの体には勝手な値段がついちまう。誰がつけるかって?男だよ。あらゆる男はゼゲンなのさ。そんでもって、女をだしに欲望を吸い上げるのがヤクザだ。吸い上げられた欲望は夜明けまでに金に換わっちまう。おっと、俺は別に売春婦は世界最古の職業だ、とか一席ぶちたいわけじゃないぜ。ただ時々無性に悲しくなるんだ。いったい売り買いなしの恋愛はできないもんかってな。ああ、わかってる。資本主義が悪いってんだろ?なにしろ交換が大原則なんだからな。ヤクザってのはもちろん、この街のことだ。くそったれ」




・某日
なにを読んでも目が滑る日々。だいたい、目玉というやつは球状であるからいけないのだ。処方箋に角張った漫画。




・某日
つまり、近頃はうまく一人になれないんだ。一人にならなければ書くことはできない。今まで僕が書いてきた言葉はニセモノさ。それはただ読まれるためにある。わかるだろう?読まれるために書かれた言葉なんて無意味だ。第一に書くためであり、第二に読むためであり、そして最後に読まれるため。こういう順序でなければならない。今の僕は自分のために書くことができなくなっている。これはまったく、息ができないに等しい。
コンビニスイーツはファミリーマートが美味。